ドアが開いた。
人の多さに一瞬ひるんだ。すし詰め状態の電車の中へ
無理やり身体を押し込めると、目の前にいたサラリーマン風の男と目が合った。
すると その男、なぜか自分の両手を肩の上まであげてホールドアップ。
もしや、俺は痴漢なんかじゃない!というアピールか?
周りの視線が集中した。
マズイ、このままでは私の方が
『痴漢に狙われると思っている高慢ちきな勘違い女』と思われてしまう。
私は捨てられた子猫ちゃんの様な顔をして小首をかしげてみせた。
『どうして両手を上げているの?私わからないわ』と言う態で。
目が合った。さらに続けた。
『私は変な男に狙われた、可哀相な子猫ちゃん』
すると男は、恥ずかしそうに うつむき、両手を上にあげたまま
ぎゅうぎゅう詰めの電車の中で そろりそろり、と向きを変え
私に背を向けた。
誰かがクスッと笑った。
ウシシシ、皆が見ている。ダメだ、ニヤケが止まらない。
清く正しく美しく、人に優しく生きる日々。
たまには やってみたくなる。
目的地へ着き電車を降りようとした時 近くにいた男子高校生が
私に向かって親指をグッと突き出し『OK』と言わんばかりの
仕草をして、ニヤッと笑った。
何がOKなのだ??
私は、子猫ちゃんの顔をして小首をかしげて電車を降りた。
キャリーオーバーが出ている【ロト6】を買うため 宝くじ売り場へ行った。
無事 2口買って ふと台の上を見ると ゆらゆらと揺れているものが…。
それは千円札だった。きっと前に並んでいた老人が忘れていったものだろう。
私はその千円札を掴み 老人を追いかけるフリをして しばらく歩いた後、コッソリと
それをポケットの中にしまった。
その後コンビニへ行き、偶然にも またレジの前で一円玉を拾った。
一瞬 迷ったが もし誰かに見られていたら『一円 ネコババした』と
思われる。
それは困る!…と思い、店員に落し物として その一円玉を届けた。
そこで私は考えた。私の善悪の境界線は一体いくらなのだろう?と。
五十円。
それが答えだった。
ちょっぴり切なくなった。
ロト6当っていますように…
『鰹の腹皮』を買いに鹿児島へ行ってきた。
今までは義姉(兄の嫁)が鹿児島から送ってきてくれていたのだが、
訳あって義姉が義姉でなくなった為、自分で調達することにした。
腹皮…『腹のわた』を包んでいる ちょうど三角形にとれる部分で、
脂が乗って非常に美味いところである。これに一塩して
陰干しにしたをのを焙って食べる。これが酒の肴によく合う。
この腹皮 、早く痛みやすい為、流通商品には不向きで
その殆どは現地で食べられていたのだが、
今や『ネットで簡単お取り寄せ』の時代になった事もあり
遠方に住んでいる人でも 運が良ければ、
新鮮で肉厚のものを手に入れる事が出来る。
『わざわざ鹿児島まで行かなくても ネットでお取り寄せ
すれば良かったのでは?』という考えが チラッと頭をよぎった。
いやいやいやいや…
今日は『腹皮』を肴に酒を飲む!








